品質管理のためのBacillus属細菌の同定におけるVITEK® MS PRIMEの性能評価
Bacillus属細菌は自然環境中に広く分布し、熱で死滅しないため、品質管理においても
最終製品に残留し、品質劣化の原因となることが報告されている。
Bacillus属の主要なグループ(B. cereusおよびB. subtilisの類縁菌)は、環境から頻繁に分離される重要な細菌であるが、質量分析による迅速な同定では、これらの類縁菌を菌種レベルで識別することが難しいのが現状となっている。
質量分析計の微生物同定装置VITEK MSシリーズ(ビオメリュー社)専用Knowledge Base 3.3(以下、VMS KB3.3)では、菌種レベルでの識別が難しく、品質管理で重要なBacillus属の多くの菌種について菌種レベルでの同定が可能となった1)。
そこで、食品や環境サンプルからの分離株をKB 3.3搭載のVITEK® MS PRIMEで同定し、B. cereusおよびB. subtilisの類縁菌については16S遺伝子解析による同定結果と比較することによって、VMS KB3.3によるBacillus属細菌の同定性能を検証したので報告する。
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